地域医療・在宅医療

茨木市薬剤師会では厚生労働省が推進する「地域医療構想」に取り組んでいます。

 

地域医療とは?

茨木市薬剤師会では「地域医療」に取り組んでいます。 一般的に「地域医療」は身近な医療、第一線的な医療という意味に理解され、専門医療と対比されます。ここで大切なことは『地域医療に従事する医療者も、専門医療に従事する医療者も同等の知識や経験を持っている』ということです。 しかし、一般的に「地域医療」が正しく理解されていない風潮があるのは、「地域医療」の定義が曖昧なためです。少子高齢化が叫ばれ始めた約20年前と比較すると、前提となっている地域が大きく変貌してしまったことが大きな要因です。つまり「地域医療」も時代のニーズに沿って再定義を迫られています。親族や近隣の人間関係、自然災害が頻発する現在において、医療と地域社会の関係性も根本から見直さなければならなくなってきています。

地域医療への取り組み

茨木市薬剤師会では「地域医療」を「地域活動の一部」として定義し、茨木市に住居する市民の皆様をサポートするために活動しています。

 

在宅医療とは?

「在宅医療」とは、お体の機能が低下し、通院が困難な方の自宅に医師が訪問して行う医療を指します。つまり、寝たきりの高齢者や、回復が難しい障害者の方など通院が困難な方のためのものです。 通院に困難を伴うため自宅で継続して医療を受けたいと思う場合などに、「在宅医療」でそれを実現できます。また、癌(がん)などで治癒が困難でお体を患っている場合、多くの方は住み慣れた家に帰りたいと希望するとします。 その際も「在宅医療」を利用することで自宅での治療継続ができます。

 

在宅医療の長所と短所

在宅医療の長所

在宅で療養する最大の長所は、「住み慣れた環境で生活ができる」ということにあります。 病院は積極的に治療をする場所であり、他の入院患者さんとの共同生活として、さまざまな制限があります。施設に入所する場合も、知らない場所、知らない人たちに囲まれた生活となります。つまり、これまでの暮らしとは違う生活を強いられることになります。 それに対して、在宅ではこれまでと同じ暮らしが出来ます。 家族やペットがいる生活はこれまでどおりです。布団もテレビもトイレも同じものです。室内の様子や窓から見えるみかん山の彩り、景色、聞こえてくる音、潮の香り、などもこれまでと同じです。また、家庭や地域の中での役割も、これまで同様に果たすことができます。父親・母親、あるいは夫として妻としての役割もこれまでとかわりません。 在宅医療では、住み慣れた環境で安心して寝起きできますし、寝るのも起きるのも、何を食べるのも自由です。病院では眠れなかった方も自宅に帰ると睡眠がしっかりとれるようになります。食欲不振だった方も好きな物を好きな時間に食べることが出来ます。

 

在宅医療の短所

医師、看護師、ヘルパーなど、多くの職種の人が入れ替わり自宅を訪問することになります。 しかし急変した時が心配という方もおられるでしょう。病院であればナースコールを押せばものの数分で看護師が駆けつけてくれます。でも在宅ではそれは不可能なことですのでそれなりの準備と意識も必要です。(かかりつけ医や訪問看護師などへの電話連絡は24時間可能なことが多いので、その点はご安心ください。) 積極的な検査・治療を最期まで受け続けたい(MRIや造影剤を使うような特殊な検査、抗がん剤の点滴や放射線治療など)とお考えになる場合には、在宅では対応や治療の継続が困難な場合もあります。在宅で可能な検査や治療は、病院とは異なり、どうしても制限されたものとなります。

在宅医療への取り組み

2025年問題を解決するため、茨木市薬剤師会では「在宅医療」に取り組む医療機関が増えるような活動を行うとともに、地域での「支える医療」の周知が大切だと考えています。   各地域で異なる「地域実情」に応じた、自主的・能動的な医療・介護関係者のネットワーク形成の取り組み、「顔の見える関係」構築を段階的に実施しております。「在宅医療」を担う訪問診療に取り組む医師・薬剤師の割合を増やすための保証制度の構築を行い、1人あたりの医師・薬剤師の負担を軽減することでより一層幅広い活動が行えるように支援しています。 茨木市薬剤師会では、薬剤師と家族、患者を包括して「支える医療」として「在宅医療」に取り組んでいます。

 

2025年問題とは?

 超高齢社会と高齢死亡者数の増加、認知症の増加、独居高齢世帯の急増が予想されています。これらの中で在宅医療の比重が高まっていくものと想定されています。